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うつ病

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 およそ15人に1人の割合で発症する脳機能の病気です。最近では特に珍しい病気ではないことが一般に知られるようになり、受診のハードルが下がりつつあるように思います。女性の発症率は男性の約2倍です。これは、女性ホルモンの増加、妊娠や出産といった女性特有のライフイベントが原因と考えられています。

 

症状

 様々な症状が出現します。中心的な精神症状としては、悲しい気持ちになる、憂鬱で沈んだ気持ちになる、何事にも興味がわかず楽しくないといった症状が出ます。それ以外にも疲れやすい、集中力がない、睡眠が不安定、食欲がない、人と会いたくない、朝の調子が悪い、考えが堂々巡りする、自分を責めてしまうなどの症状が出ます。めまいや耳鳴り、体の痛み、下痢や便秘など体の症状が出ることもあります。

 

原因

 うつ病の発症に係わる遺伝子はまだ見つかっていません。うつ病の発症には環境や病気など、引き金となった何かが推測できるものと、推測できないものがあります。原因が推測できないタイプのうつ病では、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きが悪くなっていることが多いと言われています。ほかにもアルコールやインターフェロンなどの薬物、甲状腺機能低下症や副腎機能低下症、躁うつ病など、うつ病のような精神症状を伴う疾患もあるため鑑別診断が重要になります。

 

治療

 セロトニンやノルアドレナリンの異常があるタイプのうつ病では、抗うつ薬の内服が著効することがあります。うつ病の症状を引き起こしている原因が、神経伝達物質のバランス異常なのか、それとも環境や性格などの問題なのかを見分けることは、精神科医にとっても簡単なことではありません。原因が一つではないことも多いため、多角的な治療アプローチが必要になることが多いです。ストレスになる環境を調整したり、ストレスを感じにくくするための工夫を身に付けてもらったり、他人を嫌な気持ちにさせずに自分の気持ちや考えを正しく伝える技術を身に付けてもらったりと、お薬以外にも症状を軽減するためにできることがある場合が多いです。

 

心理療法の重要度が高い病気です

 お薬だけですっかり良くなるうつ病はごく一部です。多くの場合は、何らかの問題が隠れていて、その問題について取り組まなければ、一時的に良くなったとしても再発をしてしまいます。目標は患者さんが病気に苦しまず、楽に幸せに人生を送ることです。そのためには、気持ちを整理するためのカウンセリングやストレスをコントロールする訓練、他人と上手に関係を作るための訓練などが必要になることがあります。

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